カミソリ、ナイフ

吉高由里子 包丁」というキーワードで検索が。『ざんげの値打ちもない』のことですね。水谷俊之監督曰く「吉高は“包丁”を持たせたら日本一の女優」(http://d.hatena.ne.jp/claudine/20070520#p1)。
なにしろ由里子ちゃん自身がカミソリの刃のようなコだからね。
下の文章は約1年前、『紀子の食卓』初見時に衝撃を受けた状態で私が書いたもの。その演技が、というよりも由里子ちゃんの「存在」自体が、「風のようでもあり、首筋にあてられたカミソリの刃のようでもあり、無痛で胸に刺し込まれるナイフのようでもあ」る。この「無痛で胸に刺し込まれるナイフ」という感覚、わかる人いますか?
http://d.hatena.ne.jp/claudine/20060930#p1

見てきた。吉高由里子ちゃんの飄々としたお芝居は、風のようでもあり、首筋にあてられたカミソリの刃のようでもあり、無痛で胸に刺し込まれるナイフのようでもあった。「感覚」がそのまま剥き出しになってしまっているようなその超自然体の演技は、しかしあまりにも凄すぎて、人によっては単なるヘタウマにしか見えない可能性もある。園監督が「ピュアな芝居力」と呼んだそれに、私なんかは見ている間ずっと戦慄しっぱなしだったんだけど、芝居をひとつの型にはめて見ようとする人には、この純粋で自由な力はなかなか伝わらないかもしれない。終盤、その「感覚」の核のような部分が恐怖を覚えるほど生々しい形で露呈する場面(この映画の核心が語られる場面でもある)を、非常に長いワンショットで撮影していたことに感動した。



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動画は他所でアップされたものとは別の部分を抜粋した内容。由里子ちゃんの真に独創的なトークに、記者の人も瞠目。