見たもの

『フライング 飛翔』、すげえ。これ、傑作。画も音もとんでもないことになっています。どうしてこんなすごい映画がちゃんと評価されていないの?

もう冴えまくり。『接吻』もいいけど、万田監督には『ありがとう』やこの映画のような作品をまた撮ってもらいたい、、、と願っている私は少数派ですか。

2008年の「韓英恵映画」の中では当然ながらいちばんいい英恵ちゃんを見ることができる。やはり『memo』のキャスティングは必然性を欠いていた。本作のヒロインとしてメディアで盛んに紹介されている女のコの方に存在感がまったくないので、英恵ちゃんのすごさがより際立つ。これは役柄の違いではない。存在の強度の問題だ。大きな虚構=フィクションの中に英恵ちゃんは当たり前のように自然に存在している。こんな役をやって何の違和感も感じさせない10代の女優は英恵ちゃん1人だけだろう。鈴木清順の映画でデビューした英恵ちゃんはそもそもの出発点が違うのである。
というわけで、遠山智子監督『よるのくちぶえ』にますます期待してしまうのです。英恵ちゃんは今月また新作映画の撮影があるみたいね。さすがです。

2008年最後はウーリー・ロメルのおもしろすぎるバカ映画で締めました。ホント全編笑いっぱなしだったけど、呆気にとられるラストで不覚にも落涙! ロメルさんはヘンな経歴の持ち主で、ファスビンダーファミリーからウォーホル〜NYパンク(リチャード・ヘル!)を通過してそのままアメリカでB級映画を量産、かと思えば突如ダニエル・シュミットの『季節のはざまで』(懐かしー)に役者として出演したりする。どうやら中原昌也先生がウーリー・ロメル信者らしい。なんかわかります。笑 2008年はラリー・コーエンでしたが、2009年はこのウーリー・ロメルと曽根中生そしてガイラ監督の映画に巡り合いたいなあ。


2008年ベスト

次点

2007年の私のベスト(http://d.hatena.ne.jp/claudine/20080104#p5参照)は『デジャヴ』(トニー・スコット)と『一万年後....。』(沖島勲)でした。『彼方からの手紙』『胡蝶の夢』そして『憐』とこれら2本の作品を合わせると、いま現在の私が「映画」と呼ばれるものにいったい何を求めているのか、スクリーンに何を見ているのか、わかる人にはわかってしまうと思います。ある意味、非常にわかりやすいというか。
主演女優賞は『彼方からの手紙』の朝倉あきちゃん、新人女優賞は『ホームレスが中学生』(城定秀夫)の望月美寿々ちゃん。この2人以外ありえない。
今年はあえてワーストも選出してみた。
2008年ワースト

歓喜の歌』は朝倉あきちゃんの出演場面は除く。