転々

http://tokyosanpo.jp/indexp.html
月曜日にやっと見てきました。ふふみはもっと完全に底の抜けた猛烈爆裂ぶっ飛び天然キャラなのかと思っていましたが、実際にはそうでもなくて吉高由里子ちゃんにしてはわりと普通でした。『サイゾー』の記事で「劇中のふふみより吉高由里子本人の方がぶっ飛んでる」というようなことが書かれていたけど、これは本当にそのとおり。ふふみより由里子ちゃん本人の方がずっとイカレてる。
たしか三木監督自身がおもしろおかしく演じてみせたものをそのまま真似して演じた、というようなことを由里子ちゃんは言っていましたが、それゆえの芝居の窮屈さ、不自由さのようなものを随所で感じてしまいました。この窮屈さは『いい女』の前半部分(後半部分は少し違う。http://d.hatena.ne.jp/claudine/20061208#p2参照)で感じたものに似ている。演出家が自分の頭の中でこしらえた理想のイメージよりも、いま実際に目の前にいる役者の「存在」の方がはるかに大きくて刺激的なんだ、ということに監督が気づいていないのだと思う。由里子ちゃんのようなタイプの役者はイメージを無理に押しつけないで、感覚的に自由に演じさせるのがいちばんなんだけどね。そうすると今まで誰も見たことがないような、わけのわからない「ヘンなもの」が画面に映り込んで、圧倒的におもしろくなる。
作品自体は三浦友和さんに大いに救われている。三浦さんが主演じゃなかったら、けっこうつらかったかも。脚本がいかにも弱くてキャラクターの描き込みが浅いし、状況や心情をセリフでだらだら説明してしまっているのはやはり致命的。でも悪くないところもいくつかあって、たとえばタイトルバックの商店街横移動長回しやオダギリさんがギターマンの後をふらふらとついて行くくだり、ところどころで無意識に現れる突発的な暴力性、街灯やネオンの撮り方(谷川創平さんの力が大きい)、例のジェットコースターの場面でのあっさりとした回想というか幻想カットの入れ方、あとやはり最後の三浦さんのうしろ姿のロングショットはよかった。


『転々』公開情報
http://tokyosanpo.jp/news/2007/11/post_32.html

東京:テアトルタイムズスクエア 12/1(Sat)レイトショー公開
03-3352-1846
http://www.cinemabox.com/schedule/times/


京都:京都シネマ 12/1(Sat)公開
075-353-4723
http://www.kisaragisha.co.jp/kyotocinema/


広島:シネツイン 12/1(Sat)公開
082-241-7711
http://www.saloncinema-cinetwin.jp/


福岡:KBCシネマ1、2 12/1(Sat)公開
092-751-4268
http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/


福岡:T・ジョイリバーウォーク北九州 12/1(Sat)公開
093-573-1566
http://www.t-joy.net/KITAKYUSHU/

拡大公開が続々と決まっていますね。ウチの近くのシネコンでも来年、公開されるみたいです。


歌謡曲だよ、人生は』公開情報
http://www.kayomusic.jp/

富山 フォルツァ総曲輪
12月1日(土)〜
076(493)8815
http://www.tmo-toyama.com/forza-sogawa/

歌謡曲だよ、人生は』DVD 12月5日発売
http://www.kayomusic.jp/pop/pop05.html
歌謡曲だよ、人生は [DVD]


紀子の食卓』上映情報
http://www.noriko-movie.com/
岡山映画祭 12月2日
http://ww1.tiki.ne.jp/~boken/fes.html
http://ww1.tiki.ne.jp/~boken/intro.html


装苑』1月号
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/01335012008/

NEWCOMER 2008
装苑』が注目する人、もの、こと

装苑』に吉高由里子ちゃん初登場。嬉しいけど、記事自体は大したものではない。もう少し鋭いことを書いてほしいものだ。次回はコテコテのモード系衣装とメイクでインタビュー付きのかっちょいい記事を掲載希望。


下の『蛇にピアス』キャスト決定の記事はひどい。
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6644
なんだよ、「『渋谷区円山町』の吉高由里子」って。あの映画は出番がほとんどないじゃん。誰がこの記事を書いたのか知らないが、書いたやつは『紀子の食卓』も『渋谷区円山町』も『歌謡曲だよ、人生は』も見ていないのだろう。具体的な作品を見ていない人間がテキトーなこと書くなよ。ついでにARATAのプロフィールのところも『ワンダフルライフ』が青山真治監督の作品になってしまっている。恥ずかしい記事だ。