見たもの

これ、瀬川昌治が監督だったのか。要するに「ビートたけしのアイドル映画」なんだろうけど、さすがにベタな部分が多くてこっ恥ずかしくなることもしばしば。中盤で美人局の木内みどりが登場するところと最後に石倉三郎が言う「お前もゴミなんだ」というシビアなセリフはちょっとよかった。
で、これをたけし本人が撮ると『菊次郎の夏』になるという。

  • 『ほしをつぐもの』(小水一男)

これはすばらしすぎる。。。冒頭の字幕と田中邦衛家食卓における見事な長回しで早くもノックアウトされるのだが、中盤、初潮を迎えた女のコ(脇田麻衣子ちゃん、色気があってすばらしい)が湖畔の木陰から1人そろそろと歩いてくる姿を横移動でとらえたショットで胸がいっぱいになり、クライマックスのいかだで川を下るところからラストまではもう声を上げて泣きながら鳥肌立ちまくりの状態で画面を見つめていました。あの川下りの一連は本当にすごい! なにかとてつもなく巨大な「映画」としか言いようのないものがぱっくりと口を開けている感じ。ガイラ監督おそるべし。
それにしても昨年見た『フライング 飛翔』(曽根中生)といい、80年代後半〜90年あたりの日本映画にはすごい作品が眠っているなあ。