見たもの


ランボー』も評判どおり面白かった(メル・ギブソンの『アポカリプト』より断然こっち)んだけど、そのあと見た『彼方からの手紙』があまりにもすばらしくて『ランボー』がどこかへ吹っ飛んでしまった! 『彼方からの手紙』は本当にすばらしい。全編是映画。ファーストショットからとびきり美しいラストまで「映画」のエモーションが全編にわたって満ちあふれた、紛うことなき傑作。
夕映え少女』の「むすめごころ」を見た時点で「この監督さんは信用できる」と直感した(http://d.hatena.ne.jp/claudine/20080129#p1の感想を参照)けど、『彼方からの手紙』はこちらの予想をはるかに上回る内容で、繊細かつ大胆、緻密でいて軽やかな演出の冴えに驚愕し、そして「彼方」へと向けられたそのまなざしの真摯さに強く胸を打たれた。
ヒロインを務めた朝倉あきちゃんも圧倒的にすばらしい。早くも今年の新人賞、主演女優賞は決まり。だってこれを越えるのはまず不可能だもの。あきちゃんはこの映画に出演することができて本当によかったね。これは1年経ったら名前も中身もすっかり忘れてしまうようなものではなく、この先10年20年と熱心に愛されつづけていくであろう作品なのだから。
それにしてもこんな珠玉の傑作が2日間しか上映されないなんてもったいないです。こういう映画はきちんとロードショー公開して届けるべき人たちの元へ届けるようにしなければいけないのではないでしょうか。私ももう1度見たい。今回は涙で前が見えなくなる瞬間が何度もあったから。けど、もう1度見てもやっぱり私は泣いてしまうだろう。
“瀬田化”する朝倉あきちゃん
http://ameblo.jp/asakura-aki/entry-10100767997.html
http://idisk.mac.com/dai_yama/Public/kanata.html

吉永(スズキジュンペイ)が働く不動産屋に訪れた少女(朝倉あき)。吉永は彼女の頼みで、彼女がかつて住んでいた家へ付き合う事になる。空き家にはまだ人の気配があり、そこにあったビデオに映っていたものを見た彼は、奇想天外な出来事に飲まれて行く。やがて、吉永と彼女は再び日常に戻って行くのだが・・・。ポップでカラフル、若干切ない彼方へのロードムービー



ところで29日に上映される『PASSION』(濱口竜介)も前評判が高いようだけれど、私は見にいけない(田舎者なんで上映終了時間が23時以降となる作品は基本的に無理なんです)。ここ新木優子ちゃんのスチールを見ると『錨をなげろ』(船曳真珠)もやっぱり見たくなるよね。

オリジナル版『悪魔の棲む家』は言われているほど悪くはないぞ。ちょっと長いけど。フライシャーのは3Dで見たい。

世界で一番美しい夜』鑑賞前の予習ということで。