今夜もワンダフルバーで 3

http://www.htb.co.jp/subaseka/dorama/d_009.html
『スバセカ劇場』、ようやく見た。30分番組の中のラスト5分程度がドラマ枠になっていて、それが全4回。吉高由里子ちゃんの表情の異常な深さ、鋭さはまあ当たり前なんだけど、ここでのポイントは由里子ちゃんが左手でささっとスケッチを描く場面があることと、あとはやはり最終回の目に涙をため込む場面だね。
由里子ちゃんが泣くシーンはいつも圧倒的にすごい。演じているその役柄の感情でも由里子ちゃん本人のパーソナリティでもない、もっと根源的な、人がそこに「存在」するというギリギリの感覚、「存在そのもの」としか言いようのないものがゾッとするような生々しさを伴って画面に具体的な形で表れる。それは『紀子の食卓』の凄絶なクライマックスはもちろん、『時効警察』でもそうだったし、あのへんちくりんな昼ドラ『いい女』の中でさえそうだった。実際にはこの生々しい「存在」は由里子ちゃんが出演するすべての作品のすべての場面で感じられるものなんだけど、泣くシーンではそれがもっとも顕著になる。撮影を担当している人なんかはカメラをのぞいた瞬間、本当にびっくり仰天してそのまま目が離せなくなるんじゃないだろうか。谷川創平さんにぜひ話を聞いてみたいものだ。


ところで、先日紹介した来年1月公開のオムニバス映画『夕映え少女』ですが、近々なにか記者発表のようなものが行われるんですかね。あったとしても由里子ちゃんは出席できないかもしれませんが。私としては『転々』(今週中には見にいきたい)はすでに通り越して『イタリアの歌』の方に期待してしまっていたりする。『イタリアの歌』のあらすじはまるで往年の美しいメロドラマのように「映画的」で、このお話ならしっかりと丁寧に作り上げればなかなか良いものができるのではないかと思う。私なんかはもうあらすじを読んだだけで由里子ちゃんのある「顔」が思い浮かんで、ぼろぼろと涙が出てくるのだった。残念ながら由里子ちゃんはまだ「映画的な映画」というものには巡り合えていないから、今回の『イタリアの歌』が小さくてもきちんと「映画」を志向した作品になっていればいいなあと思う。


由里子ちゃんインタビュー掲載誌
モノ・マガジン』12月2日号 1ページ
http://www.monomaga.net/wpp/shop/ProductDetail.aspx?sku=573
『ドカント』12月号 2ページ
http://www.dokant.com/backnumber/ladys/63/index.html
サイゾー』12月号 1ページ
http://www.cyzo.com/2007/11/post_129.html
http://www.cyzo.com/2007/11/post_144.html
この堂々とした写真は笑えるけど、ちょっと無理している感じもするね。「ふふみのキャラ=吉高由里子の“地”」と単純に思い込んでしまう人が増えるのは、由里子ちゃんにとってあまりいいことではないかもしれない。