red letters
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冒頭15分くらいはセリフが一切なく、松田さん演じる主人公が拉致した女性を森の中で首吊りにしたり、船の個室でトランクにむりやり詰め込んだりする様子を淡々と撮りつづけるので、これは超冷徹なサイコものなのか、と一瞬、期待したものの、その後、筧さんが登場、最初のセリフを発して話が回想モードに入ってからは、映画は一気にだれて甘いものになってしまうのだった。そもそも松田さんはサイコを演じるには健康的すぎるし、筧さんは申し訳ないけど出てくるだけで笑ってしまう。
甘いといえば、主人公の恋人が車にはねられるシーンがあって、けっこうなスピードで突っ込んでくるのを真横から撮っていたりするからオヤッと思うのだが、肝心の人がはねとばされる瞬間は編集で誤魔化して見せないので、怖さが半減。これは他の、人を殴ったり撃ったりするシーンでも同様。肝心要なところをカットしちゃうなんてもったいない! という感じだった。
谷村美月ちゃんは終盤15分だけ登場の特別出演的な扱いで、セリフは一言もない(というか、この映画の女性キャストは誰も何もしゃべらない。意図的なものでしょう)。が、ひとつ重要なポイントがある。それは美月ちゃんに「拳銃」を握らせたこと、そしてそれを撃たせたということ。これはとても重要だ。『カナリア』で土砂降りの雨の中、ドライバーを握り締めてずんずん歩いていく美月ちゃんの姿に感じるものがあった人なら、このシーンのためだけにでも本作に目を通すべきでしょう。
DVDは12月22日発売。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: DVD
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