見たもの

おもしろいところ(黒沢清の真似をしているところ)は予告編でぜんぶ流れていたという。


すばらしい。『妄想少女オタク系』よりもさらによいです。やはり堀監督は信用できる。「大切なこと」がちゃんとわかっている。こんな真摯な「青春映画」、いまどきめったに見られるものじゃないよ。この映画を見ると『天然コケッコー』(山下敦弘)がなぜダメなのかよーくわかります。
この作品について「何を語るかではなくどう語るかの映画だ」みたいなことを書いている人がどこかにいたけど、それはとんだ見当違いだ。堀監督はこの荒唐無稽な「時間」と「孤独」のお話を本気で撮っている。だからこそ信じられる。
惜しいのは主演の岡本玲ちゃんがやや弱いことかな。玲ちゃんも難しい要求にがんばって応えているんだけどね。もし朝倉あきちゃんが“憐”だったら、川瀬まりあちゃんが“憐”だったら、どうなっていただろう、、、とちょっと考えてしまいました。
ウチのブログの読者がぜったい必見なのは言うまでもないが、それ以上に「わけのわからなさ」や「やりきれなさ」の中で毎日しんどい思いをしながら生きている現役の中学生や高校生のコたちにこそ、この映画は届いてほしいと思う。
2008年は、『彼方からの手紙』と、この『憐』です。