渋谷区円山町

http://www.maruyamacho-movie.com/index.html
見てきた。吉高由里子ちゃん、出番少なかったね。三輪ひとみ姉さんとどっちが多かった? みたいな。でも個性は出ていたと思う。あれだけの出演でもじゅうぶん面白い。由里子ちゃんは仲里依紗ちゃんをいじめるいじめっ子3人組のリーダーのような役なんだけど、他のいじめっ子2人の演技と比較しても芝居の位相がまるで違うのがはっきりとわかる。力みなんて微塵も感じさせずどこまでも軽やかなのに、そこにいてその顔をしてその言葉をそのように話すこと以外はありえない、と思わせる摩訶不思議な説得力を発しているのだった。学級会みたいなシーンで「大道具!小道具!」とずっと言い続けているときのセリフ回しが見事すぎて笑う。
仲里依紗ちゃんは芝居がぜんぶ段取りくさくなってしまっている。なにしろ吉高由里子ちゃんがああいう段取りとかそういったものから解放された真にフリーフォームな芝居をするコだから、余計にその「速度」の差を感じてしまったね。『時かけ』がうまくいったのは、その段取りっぽさがアフレコという仕事の性格に合っていたからだろう。ところで、里依紗ちゃん本人はかなりミョーなコだということが最近になって判明。実はゾンビ映画(!)のフリークで、Ramones(!!)の大ファンで、父親はスティーヴン・セガール似(!!!)で、さらに「“ロック”というのはファッションも含めた生き方のことだと思う」なんてことを堂々と言ってのけてしまうコだったりするんですけど、みなさん知ってました? 里依紗ちゃんにはこの辺のきつい個性をもっともっと前面に出してもらいたいね。ゾンビ映画でゾンビの役(臓物をむしゃむしゃ食ったりする)とかやってほしい。GABBA GABBA HEY!
話が逸れましたが、映画の内容自体にはあまり感心しなかったです。これは完全に女子中高生向けだね。この題材なら誠実な演出をすれば意外といいものができそうな気もするんだけど、残念ながらそうはなっていなかった。肝心なところで、つまらないギャグを入れたり、音楽をべったりかぶせたり、映像に処理を加えたり、さむいモノローグを流したりして誤魔化している。いちばん大切な部分が抜けてしまっている。
ただ、渋谷の街の表情はそれなりに拾われていたように思う。特に街の音(ノイズ)を拾うことに関しては、それなりに意識的であることがわかった。あくまでも「それなり」だけど。。。


渋谷の映画館で『歌謡曲だよ、人生は』や東亜優さんの『赤い文化住宅の初子』のチラシももらってきました。『歌謡曲』は、チラシにもちゃんと吉高由里子ちゃんの名前が出ています。「初子通信」を探して渋谷の3書店も回ってみたけど、どこにも置いていなかったなあ。0号はもうなくなっちゃったのかな。
池袋・新文芸坐での『紀子の食卓』の上映は29日木曜日のみ。次にスクリーンで見られるのはいつになるかわからないから、行ける人は行っておいた方がいいと思うぞ。
http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html