酒井家のしあわせ

http://www.sakaike.jp/
見てきた。谷村美月ちゃんは『東京ゾンビ』の謎カツアゲ中学生にも通じる神出鬼没のとぼけた女のコの役でもちろん悪くはないんだけど、美月ちゃんの役者としての特質というのはやはりその身体性にあるわけだから、このような役柄ではどうしても可もなく不可もなくといったところに収まってしまうような気がする。
映画自体はくすくす笑って見ている人もけっこういたんだけど、私はまったく笑えなかったな。なんか笑いのとり方に品がないんだよね。関西系のコテコテのノリとも違う、ちょっと露悪的な感じ。こういうのは感心しないな。。。良かったのはワンシーンだけ登場の洞口依子さんだけれど、それは映画ではなく洞口さんの存在が素晴らしいのだった。
両親の別居問題を発端にした思春期の成長話としてもかなりぬるくて、たとえばそれは相米慎二の傑作『お引越し』との着地点の違いを考えれば、この作品で描かれている世界の小ささは明らかだと思う。
そうそう、上映前に『檸檬のころ』の特報が流れていたよ。といっても映像ではなく、スチールが何枚か登場するだけのものだけれど。劇場にポスターと前売券はあったんだけど、チラシは置いていなかったね。


『恋路物語』移動写真展
http://www.minamata-fc.jp/pg-koiji.html


美月ちゃんがいま撮影している新しい映画って、なんだろう。美月ちゃんもしょうもないテレビドラマが終わって、ようやく本来の自分のペースを取り戻せているのでしょうか。美月ちゃんの良さというのは、お芝居に対する超ストイックな姿勢とともに、その気負いのないマイペースな活動スタンスの中にもあるのだから、いたずらにそのバランスを崩したりしたら魅力が半減だよね。