キャッチボール

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野球部に所属している1年生の山本将(やまもと・しょう)は、将来、プロ野球選手を目指している。
彼に野球を教えたのは祖父。しかし、祖父は、将がプロ選手を目指すことを強く反対していた。
その祖父の新盆の夏、大会へ向う電車の中で、将はクラスメイトの坪井涼(つぼい・りょう)と出会い、宝探しに誘われる。
宝とは缶に入れて埋められた、50年前の有名選手のホームランボールだ。
将と涼は、地図を頼りにその缶を掘り出すことを決める…。

【出演】 山本将 坪井涼 千葉哲也
【脚本】 青木豪
【演出】 佐々木正

http://www3.nhk.or.jp/omoban/main0918.html#20060918012
今週の『中学生日記』。ほぼ全編にわたってセミの声がこれでもかと鳴り響いているところを見ると、「夏」を撮る、ということに関して意識的ではあるのだと思う。でも実際にその「夏」がいまひとつ伝わってこないのは、「光」の捉え方が弱いのと、ひとつひとつのシーンが短くまとめられてしまっているためにそこにある「時間」の流れがあまり感じ取れないからかな。たとえば、トラックのおっさんが土の中から宝の缶を掘り起こす場面とか、なんであんなにあっさりと見つけてしまうんだろう。線路脇の空き地を野球少年とおデブくんが横方向に歩いていく姿はやや長めのショットで撮られていたけど、どうせなら全編ワンシーン・ワンカットでいけば良かったのにと思う。2人が公園で話しているときに画面奥の木立の中からのろのろとおっさんが現れる場面や、じいさんの小学校の横にある防波堤の間から海が広がる場面なんかは、発想としてはなかなかいいのに撮影がいけていなくてもったいない。ラストのキャッチボールのシーンも撮り方が致命的。どうしてああいうカットの割り方をしてしまうんだろう。
このディレクターさんが手掛けた作品を見ると、なぜかいつも物足りない箇所ばかり指摘したくなってしまう。