恋は迷路のように

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中学2年の吉田晶子(よしだ・あきこ)は高校生の原直弘(はら・なおひろ)と付き合っている。
晶子の一方的な片思いから始まった恋だったが、今では相思相愛の仲だ。
ある日、晶子は直弘から肉体関係を迫られる。
直弘のことは好きだ。
しかし、体の関係はどうしても受け入れられない…。
少女の揺れる恋の悩みを描いた名作です。お楽しみに!
(1997年9月28日に放送した作品)
【出演】 吉田晶子 原直弘
【脚本】 田島秀樹
【音楽】 小野文栄
【演出】 野田雄介

今週の『中学生日記アーカイブス。なかなかかわいい主人公の吉田さんが心の中で思ったことをすべてモノローグにして喋らせてしまう点とか、広末やドリカムの曲のベッタベタな使い方とか、あれは意図的なものなんだろうか。方法論としてあえてベタな演出を選択しているのかどうか、これだけではなんとも言えない印象。いかにもセットといった感じの出窓の外にこれまたいかにも作り物といった感じの雪が降る場面や偽キスシーンの背後で派手に花火が上がる場面、授業中の教室で吉田さんが何も言わずにすっと立ちあがる場面や気持ちがすれ違う主役カップルの様子に教師カップルの会話がカットバックされる場面などを見ると、ひょっとして意識的なのかな、と思わなくもない。実際のところはどうなんだろう。最後のドリカムなんか、本気で流しているとは到底、思えないんだけど。
しかし「性」の問題を扱うと、どうしても内容が説明的になってしまうね。「性」の話に色々なエクスキューズがくっついて、結局は「性教育」の話になってしまうという。このあいだの『誰にも言えない』なんて、ほとんどすべての描写や台詞が「問題」の「説明」にしかなっていなかった。このあたりが「教育テレビ」の限界なのかな。
ところで、夏の再放送の予定が変更になったようです。
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『父のフォークロア』も放送することになったんだ。よかったよかった。『父のフォークロア』は海外の映画祭ならぬテレビ祭(という言葉は本当にあるのか?)に出品したりしないのかな。あの作品は、そういった方面にも十分アピールできる内容、というかある意味、非常にアピールしやすい要素を持っていたと思うのだけれど。優れた作品なのだから、正当な評価を受けるべきだ。